28.初めての夜

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*** 「じゃ、電気消すぞ?」  結局結葉(ゆいは)の風呂上がりを待って、そのあと(そう)が入浴を済ませたら深夜を回っていて。 「ごめんね、(そう)ちゃん。明日はお仕事なのに」  (そう)が部屋の入り口壁にあるシーリングライトのスイッチに手を伸ばして声を掛けたら、結葉(ゆいは)が布団の中に顔を半分隠して申し訳なさそうに謝ってきた。 「バーカ。俺はいつも結構夜更かしなんだよ。今日だっていつも通りだから気にすんな」  言って、今度こそ照明を落とそうとして、ふとあることに思い至った(そう)だ。 「結葉(ゆいは)、お前、真っ暗でも眠れるようになったか?」  子供の頃は電気を全部消すと怖がる結葉(ゆいは)のために、彼女が泊まりに来た時だけは豆球をつけて薄明かりにしていたのを思い出した。 「えっとね。実は……今でも真っ暗闇で眠るのは苦手、なの。あっ、でもっ。結婚してからはずっと真っ暗な中で眠ってたし……絶対眠れないってわけではないから……その、だ、大丈夫……だよっ? (そう)ちゃんが暗い方が眠れるっていうなら私、そっちに合わせるよ?」
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