28.初めての夜

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「ねぇ、(そう)ちゃん。もう……寝ちゃった?」  だから結葉(ゆいは)にポソポソとささやくような声音で話しかけられたとき、心臓が口から飛び出てしまいそうなくらいびっくりしてしまった(そう)だ。  さすがに表には出さないように頑張ったつもりだけれど、「いいや」と応えた声が、自分でもやけに上ずっているように感じられて。 (結葉(ゆいは)は俺の今の声、変に思っていないだろうか)  そんなことを思いつつ、 「久々にお前と寝てるからかな。興奮してなかなか寝付けねぇわ」  努めて平常心を心掛けてそんなことを言ってみる。 「わぁ〜。(そう)ちゃんも? 実は私も……なの」  結葉(ゆいは)がゴソゴソと動く衣擦れの音がして。  彼女が寝返りを打って、自分の方を向いた気配を感じた。  (そう)は自分だけが結葉(ゆいは)に背を向けているのもおかしい気がして、一度だけ心の中でスーハースーハーと大きく深呼吸をすると、そそくさと結葉(ゆいは)の方へ向き直る。
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