28.初めての夜

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***  風呂上がり、泣いた影響だろう。  ほんの少し鼻が赤くなっていて、目元を泣き腫らしてトロンとさせた結葉(ゆいは)が、上気した肌にそのパジャマを纏って出てきた姿はなかなかにパンチ力があって。  自分とは違うフローラル系のシャンプーの甘い香りがふんわりと漂うのに加えて、艶やかな黒髪が少し湿り気を帯びているように見える結葉(ゆいは)は、思わず(そう)が息を呑んでしまうぐらい色っぽかった。  結葉(ゆいは)が風呂から上がったら飲ませようと準備していたキンキンに冷えたミネラルウォーターを、思わずコップに溢れるくらいなみなみと注いでしまって、慌ててこっそり流しに捨てた(そう)だ。 「……これ、水分補給な」  言ってグラスを手渡すとき、コップを持つ手が震えそうになって困ったのを思い出す。
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