28.初めての夜

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***  その結葉(ゆいは)が、すぐそばに寝そべっているのだと思うと、意識するなという方が無理な話なんじゃないかと、(そう)は半ば諦めるように小さく吐息を落とした。 「あのね、少しおしゃべりしない?」  眠れないから話をしようと結葉(ゆいは)が誘ってくる。  それは幼い頃にもよくやった光景だ。  違うのは、結葉(ゆいは)のことを意識している(そう)の心の中だろうか。 「おう」  その緊張を隠すように短く応じたら、結葉(ゆいは)が小さく溜め息を落とした。 「(そう)ちゃん、(せり)ちゃんがいないからかな。何だか私、すっごく緊張してる。変……かな」  (そう)は一瞬、自分の心のうちを見透かされてしまったのかとドキッとして。  でも主語が「結葉(ゆいは)」だったことに気付いてハッとする。
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