742人が本棚に入れています
本棚に追加
***
(びっくりしたぁ〜っ)
いきなり想から「好き」だのなんだの言われた結葉は、思わず呼吸をするのを忘れてしまうぐらい驚かされてしまった。
確かに想は幼い頃から、それこそ今日に至るまでずっと、結葉にとことん甘々で優しかったけれど、それは実妹の芹に対しても同様で。
大きくなってからも変わらず〝妹扱い〟されていると感じていた結葉は、想への恋心を持て余した結果、想のそういう言動に異性扱いされていないと感じて切なくなったりしていたのだ。
なのに――。
「もぉ、想ちゃんったらぁ! そんな素振りちっともなかったのに……。冗談が過ぎるよぅ! 危うく信じそうになっちゃったじゃない」
きっと、結葉が緊張のあまり変なことを言ってしまったから、想もそれに合わせてくれただけなのだ。
(ちょっぴり変な間があいちゃったけど、ちゃんと冗談として受け止めたよって感じで返せたかな?)
薄暗がりの中。
自分はベッドの上。
最初のコメントを投稿しよう!