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想はそれより三十センチ以上低い床の上にいるから、きっとドギマギしてしまっている結葉の表情は見えないと思う。
思うけれど、何だか恥ずかしくて布団を額の辺りまで引き上げてしまった結葉だ。
一応自分の恋心は偉央との出会いをキッカケに一旦ひと区切りつけたよと言うつもりで、「好きだった」と告げた結葉だったけれど、想の方はまるで現在進行形ででもあるかのように「好き」表現だったことにも結葉はソワソワさせられている。
偉央とのこともまだ片付いていないというのに、元々大好きだった想からそんなことを言われて、不埒にもときめかずにはいられなくて。
でも同時に、こんな大変な時に何を浮き足立っているの⁉︎と自分を諌めるもう一人の自分がいることも確かだった。
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