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結葉に冗談と言い切られた想は、「本気なんだけど?」という言葉をグッと喉の奥に押さえ込んだ。
考えてみれば、いま結葉は旦那とのことで頭が一杯のはずなのだ。
それなのに。
(こんな時に俺の気持ちを押し付けられても困るだけだよな)
と反省して。
「そりゃ〜お前がいきなり『好きだった』とか言ってくれるから、こっちだってそうなっちまうだろ」
わざとククッと笑って軽口を叩くみたいにそう返したら、結葉が「うん。ごめんね」とどこかくぐもった声で返してくる。
ふと視線を転じてみたら、どうやら結葉、布団の中に潜り込んでしまったらしい。
(動揺……させちまったか)
何だかすごく申し訳ない気持ちがしてしまった想だ。
結葉が謝ってきたから、それに便乗するように「俺のほうこそ調子に乗り過ぎた。悪かったな」と、まるでいまの告白自体結葉が言うように〝冗談だったのだ〟と認めるような言葉を返してしまう。
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