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彼が、やろうと思えば出来る人だと言うのは知っているけれど、問題は一人になった偉央がそういう気持ちになってくれるかどうかだな、と思って。
偉央の元に戻るのは絶対に無理だと思う自分がいるのと同様、それでもやっぱり偉央のことが心配なのは、一時は愛して連れ添った相手だからだろうか。
(どうしようもないんだもの。考えても仕方ないよね)
結葉はフルフルと首を振ると、偉央のことを一旦頭から追い出した。
今はとりあえず想の朝食だ。
ふと壁にかかった時計を見ると、五時十五分を過ぎたところで。
想が毎朝何時に起きるのか、尋き忘れてしまったから、彼が起きてくるまでにあとどのくらい時間があるのか分からない。
(となると、手の込んだものは無理だよね)
そう思った結葉は、じゃがいもの芽を丁寧に取り除いて皮を剥くと、二センチくらいのサイコロ大にザクザクと切ってフライパンに入れる。
少し水を入れて炒め煮にしながら、じゃがいもが柔らかくなってきたころ輪切りにしたウィンナーを入れて塩胡椒で味を整えて。
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