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「めちゃくちゃ美味そうな匂いしてんだけど……朝食作ってくれたの? 結葉、無理してねぇか? ちゃんと寝れたか?」
想は心配そうに眉根を寄せながら台所に立つ結葉のそばにくると、結葉の頭越し、キッチンに置いた皿の中を覗き込んだ。
「わー、何これ。すげぇ!」
何だかよく分からないけど、そう思ってくれたらしい。
「ごめんね。冷蔵庫の中のもの、勝手に使っちゃった」
結葉が申し訳なさそうに言ったら、「全然構わねぇよ。っていうか、結葉。お前マジすげぇな」って。
「想ちゃん、さっきから〝すげぇ〟しか言ってないね」
結葉がクスクス笑ったら、想が鼻の頭を掻きながら照れ臭そうに「いや、だって……ホントすげぇから」とつぶやく。
結葉は寝起きでまだ少しぽやっとしている想に、「褒めてくれて有難う」と素直にお礼を言うことにした。
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