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「俺、昼に戻ってくるから。それまで待てるか?」
聞かれて結葉はキョトンとする。
「想ちゃん、まだ食パンが一枚余ってるし、私のお昼は何とかなるよ?」
言ったら「馬鹿! そんなんじゃ栄養偏るだろ!」って。
(それ、店屋物ばかり食べてる想ちゃんが言う?)
と思ってしまった結葉だ。
「一食ぐらい平気よ?」
「毎食ちゃんと食べていなかった想ちゃんの方がよっぽど心配なのに」という言葉を飲み込んで結葉が言ったら「ダメだ」と想はにべもない。
「とにかく! 昼に一回戻ってくるからそのつもりでいろよ?」
そこでパッと壁の時計を見て、慌てたように
「行ってくる! 鍵、ちゃんと閉めとけよ⁉︎」
今度こそ慌ただしく想が出て行った。
ここは二階なので想が数段飛ばしで階段を降りているのであろうバタバタ言う音が聞こえてきて。
結葉は内心
(想ちゃん、落ちないでねっ?)
とソワソワした。
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