29.公宣からの提案

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 結葉(ゆいは)は、ちょっと休憩しようかな?と雪日(ゆきはる)のケージ前にしゃがみ込んで。  まん丸になって眠る雪日(ゆきはる)を眺めて癒される。  と、不意にエプロンのポケットに無造作に入れておいたスマートフォンが着信を知らせてきた。  昨夜手にしたばかりのスマホは、まだ着信音などが初期設定(デフォルト)のまま。  どこかで聞いたことのある電子音とバイブレーションに、結葉(ゆいは)はポケットから白色のスマートフォンを取り出した。  画面を見ると「山波(やまなみ)(そう)」と出ていて。  まだこのスマートフォンには(そう)(せり)、それから山波(やまなみ)建設、そしてアメリカに住む両親の番号しか入っていない。  (そう)(せり)ふたりから、「これから少しずつ増やしていけばいいよ」と言われて。  もう自分がスマホに新しい番号を登録することを咎める人はいないんだと思ったら、凄く不思議な気持ちになった結葉(ゆいは)だ。
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