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山波家には常に誰かがいてくれる。
そういう状況ならきっと、結葉は恐怖に打ち勝てると思って。
「だったらうちにおいで。幸い部屋はたくさん余ってる」
何でもないことのように公宣が言うから、結葉は瞳を見開いた。
「いい……ん、です、か?」
恐る恐る問いかけたら公宣がニコッと笑って「もちろん。むしろ大歓迎だよ」と言ってくれた。
「ちょっ、親父……だったら俺もっ」
「ん? もしかして想もうちに帰って来たくなった?」
クスッと笑って公宣が息子を見て。
想は決まり悪そうに「お、俺はっ。結葉を守るって決めたからっ! 結葉がそうするってんなら戻るしかねぇだろっ?」と唇を尖らせる。
「もちろん父さんはお前がうちで寝泊まりするのも歓迎するよ。久しぶりに芹と想がひとつ屋根の下とか……母さんが知ったらきっと大喜びだね」
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