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「心配かけたくない気持ちは分かるけど……親はいつだって子供には甘えて欲しいものなのよ?」
結葉の言葉を聞くとはなしに小耳に挟んだのだろう。
今までキャッキャ言って公宣と笑い合っていた純子が、結葉の肩にポンと手を載せて来た。
その温かな手のひらの感触に思わず結葉がすぐ隣に座る純子を見詰めたらふんわりした微笑みを返された。
「その通りだよ、結葉ちゃん。私だって想や芹が悩んでいるなら一緒に考えたいって思う」
そんな純子に、公宣がすぐ参戦してきて。
結葉はその声に導かれるように純子の真向かいに座る公宣に視線を転じた。
「一番悲しいのはね、何も相談されないままに事後報告されることだからね」
結葉の視線を真っ向から受け止めた公宣がそう言って、純子が「そうそう」とそれに同調する。
結葉は小さく吐息を落とすと、二人にゆっくりと頷いた。
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