737人が本棚に入れています
本棚に追加
流しにそれを持って行くついで、同じく食べ終えている様子の結葉の手を引いて立たせると、「皿、洗ったら出よっか?」と優しく声を掛けて。
「想ちゃ……」
結葉が想に導かれるままふらふらと流しに横並びに立って、今にも泣き出しそうな顔で自分を見上げてくるのをポンポンと頭を撫でてなだめる。
そうしながら、「大丈夫だから」と、自分でも何が大丈夫なのか分からないままに言ってしまっていた想だったけれど。
結葉はそんな想の言葉に救われたみたいに「うん……」と淡く微笑むと、想の手の感触に身を委ねるようにしばらくの間、目を閉じていた。
最初のコメントを投稿しよう!