30.山波家での生活

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 流しにそれを持って行くついで、同じく食べ終えている様子の結葉(ゆいは)の手を引いて立たせると、「皿、洗ったら出よっか?」と優しく声を掛けて。 「(そう)ちゃ……」  結葉(ゆいは)(そう)に導かれるままふらふらと流しに横並びに立って、今にも泣き出しそうな顔で自分を見上げてくるのをポンポンと頭を撫でてなだめる。  そうしながら、「大丈夫だから」と、自分でも何が大丈夫なのか分からないままに言ってしまっていた(そう)だったけれど。  結葉(ゆいは)はそんな(そう)の言葉に救われたみたいに「うん……」と淡く微笑むと、(そう)の手の感触に身を委ねるようにしばらくの間、目を閉じていた。
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