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「わ~。結構たくさん持ってきたのね~!」
二組の布団だけでもそこそこにかさばったのだけれど、それとは別に雪日のケージや飼育用品一式、それから結葉のために買った服や想の服などを載せてみたら、後部シートが思いのほかギューギューになった。
それとは別。
冷蔵庫の中に残っていた牛乳や、一枚だけ残っていた食パンなどを助手席に座る結葉が抱えて帰ってきたから。
車から降りてリアハッチを開けた途端、荷下ろしを手伝いに出てきてくれた純子が、それじゃなくても大きな目を更に大きく見開いて驚いた。
「いや、これでも結構厳選してきたつもり」
結葉に「――な?」と同意を求めるようにしながら想が言ったら、純子が
「けど想。別に布団は持って来なくてもこっちにも余ってるの何組もあったの知ってたでしょうに」
と苦笑した。
「いや、俺は寝慣れたこの布団が好きなんだよ」
そっぽを向いてボソリと吐き捨てるように想が言って。
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