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「うん。お家、狭くしちゃってごめんね」
テーブルに、ほかほかと湯気のくゆる料理を並べながら、どこか申し訳なさそうに結葉が言うから、芹はブンブン手を振って。
「この家、広いだけが取り柄だもん! 全然そんなこと思わないっ! それより寧ろお姉ちゃんが出来たみたいであたし、すっごく嬉しい!」
実際、大きな声では言えないけれど、ある程度物心がついてからはずっと。
芹は名実ともにいずれはそうなるものだと信じていたくらいなのだから。
(お兄ちゃんと結葉ちゃんが結婚しなかったの、あたし的にはホント大誤算だったのよぅ)
でも、このところの兄と結葉の様子を見ていたら、もしかしたら、と期待もしてしまっている芹だ。
(結葉ちゃんみたいな綺麗で優しいお姉ちゃんが出来たら、あたしすっごく嬉しいんだよね)
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