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子供の頃から芹に優しくしてくれた、〝お隣の結葉ちゃん〟は、いつしか芹にとって本当に姉のように思える存在になっていたから。
(お兄ちゃんも優しいけど、やっぱり同性の姉妹とは違うもの)
一緒に料理を楽しんだり、買い物に行ったり。
考えただけで楽しそうだと芹は思うのだ。
それに、女同士だからこそ分かち合える話題もあると言うもの。
いくら優しくてもさすがに想と下着のデザインの可愛さや、付け心地なんかについて盛り上がれたりはしないし、化粧品の話にしてもそう。
そういうアレコレを話せるのは、やはり同性の特権だと思って。
「結葉ちゃんが来てるってことは雪日くんもいるの⁉︎」
ソワソワしながら聞いたら、結葉がニコッと笑って「二階に」と教えてくれた。
結葉は、家のほぼ中央に位置する螺旋状の階段を上がってすぐの、八畳ほどの角部屋を使うように言われたらしい。
想の部屋は結葉に充てがわれた部屋からは階段を挟んだ対角線状にあって、位置的には一番両親の寝室に近い。
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