31.大切な連絡

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 結葉(ゆいは)山波家(やまなみけ)で生活をするようになって一週間ちょっと。  皆が皆、各々に五人での暮らしにも大分慣れてきた。  結葉(ゆいは)公宣(きみのぶ)と純子の気遣いで、お風呂やトイレ、それら洗面所は基本的に二階にあるゲスト用のものを使わせてもらっている。  幸い(そう)と一緒に暮らすことを決めた時、シャンプーやトリートメント、ボディソープなども結葉(ゆいは)用に一式揃えてもらっていたから、それをお風呂場の一角にちんまりと置いてみた結葉(ゆいは)だ。  まだ仕事をしているわけではない結葉(ゆいは)は、日がな一日家にいて純子と過ごす割合が一番多い。  結葉(ゆいは)が住まわせてもらっている山波邸は、結葉(ゆいは)から見ると豪邸の部類に入る。  そこをお手伝いさんも雇わず一人で切り盛りしている純子さんはすごい!と思ってしまった。  のほほんとしているように見えて、純子は家事全般を結構手際よくテキパキと無駄なくこなす。  結葉(ゆいは)はそんな純子の足手纏いにならないよう気を付けながら、彼女のサポート役に徹していたのだけれど。 「あの、純子さん、二階の水回り関係は私が丸っと掃除させて頂いても構わないでしょうか?」
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