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ソワソワした気持ちで想を見上げたら、彼はニコッと笑って手にした弁当包みを持ち上げて見せる。
「結葉、今日の弁当もめっちゃ美味かった。サンキューな」
想は今、結葉がいる上がり框付近より一段低い敷台の上に立っているのだけれど、それでも結葉より数十センチは高い位置に顔があって。
間近で想を見上げたら、想がちょっぴり照れたみたいに視線をそらせながらもそう言ってくれた。
「ご飯の量、少なくなかった? ちゃんと足りた?」
そこでふと、この弁当箱が手元に届くまでの経緯に思いを馳せてしまった結葉だ。
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