31.大切な連絡

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 (そう)が肩にかけたままだったリュックを、部屋の中央に置かれたローテーブルの上に下ろしながら眉根を寄せる。  その表情を見たら、少しだけ緊張の糸が緩んだ気がした結葉(ゆいは)だ。 「ううん、平気。……全部、何か理由があるんでしょ?」  そうでないと、(そう)があんな思い詰めたような怖い顔をするはずがないことも、わざわざ結葉(ゆいは)を不安にさせてまで部屋に施錠をすることがないことも、分かっている。 「ああ、実はな、御庄(みしょう)さん――、えっと……お前の旦那から今日、うちの会社に書留が届いたんだ」  言いながら、(そう)が机上に載せたリュックの中からA4サイズの封筒を取り出して。 「偉央(いお)さん……から?」 「ああ」  封の切られた封書を手渡してくれながら、(そう)が申し訳なさそうにつぶやいた。 「すまん。俺宛だったから……一応中、確認させてもらってる」  言われて、結葉(ゆいは)は「うん」と答えながら、開いている箇所から中身を取り出した。
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