31.大切な連絡

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 一つ目の封筒には表に「山波(やまなみ)(そう)様」と書かれていて、中には小切手が入っていた。  金額のところを見ると「¥五〇〇,〇〇〇※」と印字されていて、結葉(ゆいは)は驚いてしまう。  小切手と一緒に小さなメモ書きが付いていて「妻の当面の生活費などにあててください」と書かれていて。  結葉(ゆいは)はソワソワと(そう)を見遣った。 「(そう)ちゃん、これ……」 「結葉(ゆいは)のために御庄(みしょう)さんが用意した金だ。表書きは俺になってるけど、使うも使わないも結葉(ゆいは)に任せる。もし使いたくないなら……送り返すことも出来るし、直接会ってどうこうしたいならその手助けも、もちろんする」  言われて結葉(ゆいは)は泣きそうになる。  自分がまだ仕事を見つけられていない今、山波家(やまなみけ)の面々に迷惑を掛けまくっているのは紛れもない事実だ。  そんな結葉(ゆいは)にとって、偉央(いお)からの援助は喉から手が出るくらい欲しい。
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