735人が本棚に入れています
本棚に追加
一つ目の封筒には表に「山波想様」と書かれていて、中には小切手が入っていた。
金額のところを見ると「¥五〇〇,〇〇〇※」と印字されていて、結葉は驚いてしまう。
小切手と一緒に小さなメモ書きが付いていて「妻の当面の生活費などにあててください」と書かれていて。
結葉はソワソワと想を見遣った。
「想ちゃん、これ……」
「結葉のために御庄さんが用意した金だ。表書きは俺になってるけど、使うも使わないも結葉に任せる。もし使いたくないなら……送り返すことも出来るし、直接会ってどうこうしたいならその手助けも、もちろんする」
言われて結葉は泣きそうになる。
自分がまだ仕事を見つけられていない今、山波家の面々に迷惑を掛けまくっているのは紛れもない事実だ。
そんな結葉にとって、偉央からの援助は喉から手が出るくらい欲しい。
最初のコメントを投稿しよう!