31.大切な連絡

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 家にいると思われる美鳥(みどり)はすぐに既読になったけれど、(そう)のメッセージ自体、茂雄(しげお)の方は未読のままとのことで。 (朝の忙しい時間だもん。仕方ないよね)  そう思って、(お父さんとは、いますぐ連絡を取ることは無理かな?)と諦めた結葉(ゆいは)だ。  とりあえず、(そう)のメッセージをすぐに読んでくれて、結葉(ゆいは)からの申請に対しても割とすんなり追加をしてくれた美鳥(みどり)と先に話そうかな、と思って。  でも――。  今回結葉(ゆいは)が両親と連絡を取るための手段を構築した理由は、偉央(いお)とのことを話さねばならないからに他ならない。  内容が内容なだけに、どう切り出したらいいのか分からなくて、なかなか音声通話のボタンがタップ出来ない結葉(ゆいは)だ。  繋がったばかりの美鳥(みどり)の連絡先をじっと見詰めたまま止まってしまっていた。  と、手にしたままだったスマートフォンが着信を知らせてきて。  見れば、結葉(ゆいは)がなかなか通話ボタンを押せずにいた母・美鳥(みどり)からの、アプリを介した音声通話のリクエストだった。
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