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見ると、いま想に教えられたばかりの結葉の番号からの友達追加リクエストで。
美鳥はソワソワと落ち着かない気持ちで「追加」ボタンをタップした。
そうしてそのまま、いま追加したばかりの結葉にライン通話をしてみたわけだけれど――。
不安のあまり何の前置きもなく「ゆいちゃん、……何かあった?」と問いかけたみたら、明らかに愛娘の様子がおかしくて焦燥感ばかりが募った美鳥だ。
何度か電話越し、結葉の名前を呼んでみたけれど反応がなくて。
通話口からはカサカサという衣擦れの音が聞こえてきて、辛うじて切れずに繋がっていると思える感じ。
「ゆいちゃん?」
何度目かの声かけの後、やっと。
『――ごめんなさい、お母さん。心配を掛けて』
さっきまでは震えていた結葉の声が、明らかに落ち着きを取り戻しているのを感じて、美鳥はひとまずホッと胸を撫で下ろしたのだった。
でも――。
『ごめんなさい、お母さん。私、偉央さんと……離婚することになると、思う……の』
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