31.大切な連絡

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 立地的に偉央(いお)の職場が目の前にあるあのマンションに、例え旦那からの許可があったとしても、自分なら住み続けられないなと思ってしまった美鳥(みどり)だ。  きっと結葉(ゆいは)もそのはずで。 『あ、あの……』 「あっ。もしかしてお家に戻ってるのかな? あの家、ゆいちゃん一人で住んだら広過ぎて寂しいんじゃない? 平気?」  空き家になっているのだ。  別居が必要になった娘が移り住むにはちょうど良いかな?と思って。  そうだ。だからお隣の(そう)から、結葉(ゆいは)の電話番号が変わったという連絡が事前に入ったのかもしれない。  そこで、働いていない結葉(ゆいは)が、電気代やガス代を捻出するのは大変かもと思い至った美鳥(みどり)だ。 「そういえば……光熱費は大丈夫? 節約節約って我慢してない?」  日本(向こう)もまだ寒い時期のはずだ。  お金を気にして寒い室内で結葉(ゆいは)が震えているかもと思ったら、心配になってしまった。 「光熱費はお父さんの口座から勝手に落ちるし、気にせずバンバン使って良いんだからね? ご飯は……ちゃんと食べられてる?」
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