31.大切な連絡

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 言ったら、結葉(ゆいは)が『あ、あのっ、お母さんっ……!』と美鳥(みどり)の言葉を(さえぎ)るみたいに呼び掛けてきた。 『私、いま、実家にはいないのっ』  続けてそんな風に言われて、美鳥(みどり)は思わず「えっ」とこぼしてしまう。 「――じゃあ、一体どこに……いるの?」  仕事を見つけてアパートを借りたと言うことだろうか?  でもそれはすごく勿体無い気がして。 「どこかのアパート? そんな勿体無いことしなくても――」  言い募ろうとしたら、『違うの。お母さん、私ね……』と結葉(ゆいは)美鳥(みどり)の言葉を再度遮ってから、先を言うのを迷ったみたいに言い淀んだ。  その、煮え切らない娘の態度に、美鳥(みどり)結葉(ゆいは)がどこにいるのかますます心配になって。 「も、もしかして……ゆいちゃん。(そう)くんの……アパートにいるんじゃないでしょうね?」  それならば、先んじて(そう)から連絡があったことの説明も出来る気がして、美鳥(みどり)はソワソワしてきてしまう。
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