31.大切な連絡

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 美鳥(みどり)は、結葉(ゆいは)が長いこと(そう)に片想いしていたのを知っているし、今みたいに傷心の身で彼の近くにいたら、その想いが再燃しかねないのではないか?と思って。  それに、いくら(そう)が良識のある子でも、彼だって立派な成人男子なのだ。  結葉(ゆいは)がその気になったなら、間違いが起こらないとは言い切れないではないか。 ((そう)くんが、彼女とどうなったのかも結局分からず終いだし)  もしも、いま仮に(そう)がフリーだとしたら、二人を止めるものは何もない気がしてしまった美鳥(みどり)だ。  結葉(ゆいは)偉央(いお)と本当に離婚するつもりならば、(そう)との同棲は、結葉(ゆいは)にとって不利にしかならないだろう。  いくら幼馴染みで、小さい頃からお互いの家を行き来している仲とは言っても、若い男女が一つ屋根の下にいて、世間一般の人が何も思わないわけがないのだから。 『……たっ、確かに(そう)ちゃんのお世話にはなってるけど……住んでるのは(そう)ちゃんのアパートじゃない……』  結葉(ゆいは)の言葉はまるで要領を得なくて。  美鳥(みどり)は娘をそばで見守れない焦燥感に 「じゃあどういう……」  つい次々に畳み掛けるように自分の思いを話してしまいそうになる。
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