31.大切な連絡

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 因みに離婚の理由は、〝子供に対する考え方の相違〟とだけ伝えるに留めた結葉(ゆいは)だ。 「私は子供、欲しかったんだけど、偉央(いお)さんは欲しくないって。ずっと話し合ってきたけど……どうしても折り合いがつかなかったの。私ももう若くはないし……我が子を望むなら、このまま偉央(いお)さんとは一緒にいられないって思ったの」  結葉(ゆいは)の言葉に、美鳥(みどり)は『そこが擦り合わせられないなら、確かに婚姻生活を継続するのは難しいかも知れないわね』と納得してくれて。 『でも……。それでももう少しちゃんとお話ししたら何とかなったりしないのかな?』  と続けたのだ。  結葉(ゆいは)は「ごめんね、お母さん……」と、まるで上手く立ち回れなかった謝っていた。  (そう)も横で聞いていたからそのやり取りはなんとなく把握していたのだけれど。 「それはそれとして――旦那からのDVの事、本当に伝えなくてよかったのか?」  (そう)は(そこを曖昧にしたままにするから、美鳥(みどり)さん、娘の離婚に対して煮え切らない感じになっちまってんだよな?)と思ったのだけれど。  当の結葉(ゆいは)は「で両親に心配を掛けたくないの」と淡く微笑むばかり。 「けど――」  それでも更に言い募ろうとしたら、結葉(ゆいは)にゆるゆると首を振られてしまった。
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