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「どうしても……話さなきゃいけない時が来たらちゃんと話すから。そうならない限りは……内緒にしておきたいの」
再会直後にすぐ、結葉の異変に気付いた想としては、ずっとそばで結葉のことを見ていたくせに彼女のSOSに気付けなかった小林夫妻に対してどうしても思うところがある。
こんな風に、結葉が事実をひた隠しにしようとしただろうことは分かった上で。
でも、だからこそ尚のこと気付いてやれよ!と思わずにはいられなかったのだ。
「なぁ結葉。もし……いつか真実を告げなきゃいけなくなったとして……知るのが遅れれば遅れるほどお前の親御さん、知った時しんどいんじゃねぇか?」
両親に真実を知られることは、結葉にとってとても辛いことだというのは分かっているつもりだ。
だから事細かに起こったことを全部話す必要はないと想だって思っている。
だけど……。
せめて。
せめて結葉が何に苦しんで、今回の結論に達したのか。
その片鱗ぐらいは伝えておいた方がいいんじゃないかと思うのだ。
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