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ただ、独身の頃と違うことがあるとすれば、いまは自由に使えるお金がないと言うこと。
一応カバンの中に、〝家事の対価〟という名目で純子から渡された三万円が入っているのだけれど、それは、単純に純子からの厚意に過ぎない。
だから、甘えてはいけないと思っている結葉だ。
ちゃんとお勤めを始めて、山波家に家賃なり何なりを収めることが出来るようになれたなら……今日これからひとまずお借りせねばならない封筒の中のお金に関しても、キッチリ満額揃えて純子にお返ししようと心に決めている。
だから浮き足立ってアレコレ不必要なものを買わないようにセーブしなくちゃ、と結葉は心を引き締め直した。
なるべく支出額が抑えられるようにと、結葉が一番最初に目指したのは、商店街の一角に店舗を構えた、少し大きめの規模の百円ショップだった。
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