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純子は朝食作りのため、毎朝大体決まって五時半に起きてくる。
一方芹はお弁当を作る日は五時半起きだけれど、そうでない日は六時過ぎまで寝ているといった感じでまちまちだ。
結葉はいつも五時には起きてゴソゴソしているので、今朝も一番乗りで台所にいても、誰にも怪しまれなかった。
「おはよぉ、結葉ちゃん。今朝も早起きさんだね〜。もぉめっちゃいい匂いしてるとか……神ぃ〜」
寝起きで、いつもよりほんの少しホヤッとした表情をした芹が、キッチンにいる結葉にどこか間伸びした声をかけて。
「あたしも、とりあえず顔洗ってシャキッとしてくるね〜」
そう言って一旦引っ込んだ。
それと入れ替わるように、
「おはよう、ゆいちゃん。いつも早起きだけど、ちゃんと身体、休められてる?」
芹とは対照的。
すでにピシッと身支度を整えた純子がキッチンに顔を出した。
偉央に責め苛まれて起きられない時以外は、基本的に五時起きが多かった結葉だ。
「おはようございます。早起きは結婚してた時の習慣で身体に染みついちゃってるんで大丈夫です。お気遣い有難うございますっ」
そう言って微笑んだら、「ゆいちゃんは本当に働き者さんだね〜」って頭をヨシヨシされた。
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