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もしかしたら偉央が自分に対してやっていたアレコレは、そういう感情に近いのかな?と思ってしまった。
力加減とか、これ以上やったらダメとかいうセーブがきかなくて暴走している感じ。
そう考えたら、何となく納得いく部分があって、結葉はほぅっと小さく吐息を落とした。
偉央はきっとすごく不器用な人なんだと、今更のように思ってしまった結葉だ。
だからと言って、もう彼の腕の中に戻ることは出来ないけれど、かつては確かに結葉自身も心の底から愛しく感じていた人だから。
もしもいま、苦しみの淵に沈み込んでしまっているのだとしたら、少しだけでも浮き上がる手助けをしたい。
バスが来るのを待ちながら、そんなことをつらつらと考えて。
手にした十二種類の惣菜が入った紙袋をギュッと握り直して、結葉はもう一度だけ吐息を落とした。
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