33.久々の我が家

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「――偉央(いお)さんっ⁉︎」  だけど結葉(ゆいは)が恐る恐る振り返ったら偉央(いお)が寝室前で(ひざ)をついているのが見えて。  結葉(ゆいは)は現状も忘れて思わず彼のそばに走り寄っていた。 「どうしたのっ? 具合が悪いのっ?」  偉央(いお)のすぐ横に(ひざまず)いて、殆ど無意識。  彼の背中に触れて(うつむ)けられた顔を覗き込んだら、そのままギュッと抱きしめられた。 「い、おさっ⁉︎」  突然の抱擁に驚いた結葉(ゆいは)が身体をギュッと固くしたら、偉央(いお)が小さな声でポツリと言った。 「ごめん。ちょっとだけ肩を貸してもらえないかな」  その言葉に、偉央(いお)は自分を抱き締めたのではなく、支えにしたかっただけだったんだと気付かされた結葉(ゆいは)は、小さくコクリと(うなず)いた。  頷きながらも、怖くて気持ちをしっかり持っていないと身体が小刻みに震えてしまいそうで。  でも、だからと言ってこんなに弱っている偉央(いお)を放り出すことは出来なかった。 「――本当にすまない。キミは……僕のことが怖いのに」  自分でも抑えているつもりだったけれど、偉央(いお)にも震えているのが伝わってしまったらしい。  力無い声で謝罪されて、結葉(ゆいは)はフルフルと首を振った。
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