734人が本棚に入れています
本棚に追加
/848ページ
***
身長差が二〇センチ以上あるから、実際小柄な結葉が偉央の支えになれたかどうかは分からない。
でも、偉央は結葉に捕まってベッドサイドに腰をかけることが出来た。
偉央は目眩でもしているのだろうか。
苦しそうに眉間にしわを寄せると、眼鏡を外してベッドの宮棚に置く。
偉央の裸眼の顔を見るのは本当に久々だなと思った結葉だ。
偉央は眼鏡をしていると、付け入る隙のないインテリっぽく見えるけれど、眼鏡を外すと少し印象が柔らかくなる。
まだ偉央との関係が今ほどこじれていなかったころ、彼に優しく抱かれた後で二人布団のなかで睦言を交わしながら、眼鏡のない彼の顔を間近にして照れ臭かったのを、結葉は鮮明に覚えている。
折檻をされるように酷く抱かれるようになってからの偉央は、情事の際にも眼鏡を外すことは無くなったし、ことが終わった後に、結葉と一緒に眠る事もなくなっていた。
というより結葉は偉央から気を失うまで酷く責め立てられて。明け方、目が覚めるといつもベッドに一人だった。
最初のコメントを投稿しよう!