33.久々の我が家

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 寝室はカーテンが閉められていて薄暗いからだろうか。  結葉(ゆいは)は何だかソワソワと落ち着かない。  自分も少し前まではこの部屋で寝起きしていたんだと思うと、監禁生活の片鱗をふと思い出してしまって、結葉(ゆいは)は自然心拍数が上がってくるのを感じてしまう。 「偉央(いお)さん、大丈夫ですか?」  それを誤魔化すみたいに偉央(いお)を気遣ったら、心底申し訳なさそうな顔をして偉央(いお)が吐息を落とした。 「せっかく久しぶりにキミに会えたのに……情けない所を見せてしまってすまない」 「それは気にしないで? だけど……本当にどうしちゃったの?」  自分が偉央(いお)を置き去りにしたから?と心の片隅で思わなくもない結葉(ゆいは)だったけれど、そんなことを思うこと自体烏滸(おお)がましいかも、とも思って。  「とりあえず横になって?」と偉央(いお)を促してベッドに寝かせると、結葉(ゆいは)は静かに偉央(いお)を見つめた。  本当なら熱がないか額に触れたりしてみるのが正解だと分かっているけれど、さすがにそこまでは怖くて出来そうにない。  さっきから病人相手に、自分は中途半端な態度ばかり取っているな、と心の中で一人吐息を落とした結葉(ゆいは)だ。
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