33.久々の我が家

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「――このところ面倒くさがって……三食まともに食べていなかったツケが回ってきたのかな。いい大人が体調管理も出来ないとかホント情けない話なんだけど……今日は明け方からずっと目眩が酷くてね。仕事も休まざるを得なかったんだ」  言い訳をするみたいに一息に言って、偉央(いお)が、彼を見詰める結葉(ゆいは)からふっと視線をそらせた。  偉央(いお)は食事面だけを取り沙汰したけれど、きっと睡眠もちゃんと取れていないんじゃないかと、自分のことをマトモに見ようとしてくれない偉央(いお)を見下ろして思った結葉(ゆいは)だ。  薄暗くてハッキリとは見えないけれど、曲がりなりにも数年間寝食をともにした男性(ひと)だ。  彼の、目の下のくまに気付かない結葉(ゆいは)ではない。 「少し休まれた方がいいと思います。眠れそうですか?」  聞いたら、偉央(いお)が「いや……」と悲しそうな顔で結葉(ゆいは)を見上げてくる。 「せっかくキミが来てくれているのに眠るのは勿体無い……」  ややして小さくポツンとこぼされた言葉に、結葉(ゆいは)は瞳を見開いた。 「偉央(いお)さん……」  確かに偉央(いお)が眠ってしまったら、そっとここを出ようと思っていた結葉(ゆいは)だ。
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