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(お粥にしよう)
弱っていそうな偉央にはその方がいい気がして。
小さな片手鍋を取り出すと、温めたばかりのご飯をそれに入れてウォーターサーバーから水を入れた。
***
「偉央さん、起きていらっしゃいますか?」
トレイに湯気のくゆるお粥と卵焼き、それから肉じゃがを載せて寝室に戻ると、偉央は結葉の予想に反して薄暗がりの中、身体を起こしていて。
「寝ていてくださいって言ったのに」
ベッド横のサイドテーブルにトレイを載せて食事がしやすいようにカーテンを開けると、部屋の中が明るくなった。
「ごめん……」
素直に謝る偉央を見て、結葉はそれ以上言い募ることが出来なかった。
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