35.二度目のSOS

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*** 「(そう)ちゃん、ごめんね」  (そう)の腕の中で、結葉(ゆいは)が心底申し訳なさそうな顔をして謝罪の言葉を口に乗せた。  (そう)は何も言わずに結葉(ゆいは)を抱く腕にギュッと力を込めてそれに応える。 「偉央(いお)さんからのお手紙にね、『最後に私の手料理が食べたかった』って……そんな感じのことがたった一言だけ書かれていたの」  それを見たらどうしても偉央(いお)に手料理を食べさせたくなったのだと結葉(ゆいは)は言って。 「偉央(いお)さんとは本当に色々あったけど……私、偉央(いお)さんのこと、怖いと思ったことはあっても……その……、嫌いだって感じたことは一度もなかったから」  (そう)が何を答えなくても、結葉(ゆいは)はまるでそれを話すのが責務であるかのように話し続ける。  ある意味独白のようだな、と(そう)は思った。  自分の気持ちを整理するために話しているみたいな……そんな気がしたのだ。
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