35.二度目のSOS

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「俺、結葉(ゆいは)のことが好きだ。子供の頃からずっと……」  いま、旦那と色々あったばかりで心身ともに疲弊し切っているであろう結葉(ゆいは)に、こんなことを言うのはフェアじゃないと分かっている。  分かっていても、結葉(ゆいは)を失うかも知れないという恐怖を味わわされた(そう)としては、どうしても方今(ほうこん)結葉(ゆいは)にそれを伝えなければならないと思ってしまった。  ずっと〝いつか言おう〟と思っていた気持ちだけど、〝いつか〟なんていつ来るか分からないし、絶対来るとも限らないと思い知らされた(そう)だ。  自分がうだうだして言えずにいたから。  (そう)はずっと隣にいるのが当たり前だと思っていた結葉(ゆいは)を、いきなり現れた他の男に奪われてしまった。  そんな苦々しい過去だって忘れたわけじゃない。 「もちろん幼馴染みとして、とかじゃねぇぞ? 異性として俺のそばにいて欲しい相手だって思ってる」 「あの、……(そう)ちゃ、私……」 「良い……。別にいますぐ返事が欲しくて言ったわけじゃねぇから」
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