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「俺、結葉のことが好きだ。子供の頃からずっと……」
いま、旦那と色々あったばかりで心身ともに疲弊し切っているであろう結葉に、こんなことを言うのはフェアじゃないと分かっている。
分かっていても、結葉を失うかも知れないという恐怖を味わわされた想としては、どうしても方今、結葉にそれを伝えなければならないと思ってしまった。
ずっと〝いつか言おう〟と思っていた気持ちだけど、〝いつか〟なんていつ来るか分からないし、絶対来るとも限らないと思い知らされた想だ。
自分がうだうだして言えずにいたから。
想はずっと隣にいるのが当たり前だと思っていた結葉を、いきなり現れた他の男に奪われてしまった。
そんな苦々しい過去だって忘れたわけじゃない。
「もちろん幼馴染みとして、とかじゃねぇぞ? 異性として俺のそばにいて欲しい相手だって思ってる」
「あの、……想ちゃ、私……」
「良い……。別にいますぐ返事が欲しくて言ったわけじゃねぇから」
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