35.二度目のSOS

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 結葉(ゆいは)が腕の中、オロオロと身じろいで何か言おうとしたのを、ギュッと腕に力を込めて言わせないようにすると、(そう)は大きく息を吐き出して結葉(ゆいは)から腕を離した。 「ごめんな? 急に。俺、お前にいつかこの気持ちを伝えなきゃってずっと思ってたんだ。なのに言えずにいる間に色々あり過ぎて時機を逸しちまってた。……さっき結葉(ゆいは)が目を開けないのを見て……いつかなんて来る保証はねぇよなって……今更だけど気付いたんだ。だから――」  言わせてもらったのだと、(そう)結葉(ゆいは)をじっと見詰める。  伝えたい言葉を伝えられないままになるのは嫌だ。  だけど、結葉(ゆいは)がそれに〝今すぐ〟応える必要はないのだと言外に含ませる。 「(そう)ちゃん。知ってると思うけど……私、すっごくすっごく不器用なの。――だから」  結葉(ゆいは)が、そんな(そう)を見つめ返して、ほんの少しだけ困った顔をして微笑んだ。
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