36.終止符

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「俺の方こそ頭ごなしに否定しちまってすまん。多分……お前にはお前なりの考えがあってのことだったんだよな? ――ちゃんと聞くから。お前の思い、俺に聞かせてくれるか?」  (そう)の言葉に、結葉(ゆいは)がギュッと手指を握り締めたのが分かった。 「偉央(いお)さんが……。ご両親から私と連絡が取れないのはどう言うことか?って問い詰められたら面倒かなって思ったの。向こうのお母さん、昼間に時々家の方に電話くださってたから」  結葉(ゆいは)は家を出てしまっていたから、それには出られない。きっとそれが続けばキッズ携帯に電話が掛かってくるはずで。 「あの携帯がどうなったのかは分からないけれど……。もし解約されていなかったとしても、私が出られないことに変わりはなかったから。家の電話にも携帯にも出られないとなったら……きっと色々変に思われるかなって思ったの」  偉央(いお)が下手に問い詰められて、離婚の危機にあるとあちらの両親にバレてしまったら。  もしかしたら偉央(いお)とゆっくり話し合う機会に恵まれなくなってしまうかも知れない、と考えてしまったのだと結葉(ゆいは)は言った。
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