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「もちろん、ご両親にも関係のあるお話だし。ずっと隠し通すつもりだったわけじゃないの。でも……ある程度は偉央さんとちゃんと話してからがいいって思っちゃったの。ワガママでごめんね」
眉根を寄せて悲しそうな顔をする結葉に、想は「何バカなことしてんだよ!」と思わないわけじゃない。
でも、そういう、どこか変なところで律儀なのが結葉だというのも分かっていたから。
喉元まで迫り上げてきたモヤモヤした気持ちを、顔に出さないようにしてグッと飲み込んだ。
それに、当人同士で話し合う前に第三者に出てこられたくないという気持ちだって分からないわけじゃない。
「それで……御庄さんには番号――」
「教えてない」
偉央の両親も、まさか息子が妻の連絡先を知らないなどと思いはしなかったのか、現状義理両親から偉央に結葉の携帯番号が漏れてしまった気配はないらしい。
だけど。
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