36.終止符

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「だったら尚のことそういう経緯全部ひっくるめてあっちの親に言ってやれば良かったじゃねぇか」 「……でも……(そう)ちゃん。私、何だかんだ言っても……結局のところ偉央(いお)さんとの子供、欲しくないって思っちゃったんだよ? 孫を残せない嫁だって非難されても仕方ないかなって……思っちゃった」  結葉(ゆいは)はそんな風に自分を責めるけれど、(そう)としてはどうしても納得がいかない。  真実を知らないくせに結葉(ゆいは)を悪者にして泣かせるなんてふざけんな!と思う。  でも――。 「こちらの理由はどうあれ……私はお義父(とう)さんとお義母(かあ)さんに孫を見せてあげられなかった。それは紛れもない事実だから」  結葉(ゆいは)は甘んじてその非難を受け入れると言うのだ。 「ねぇ(そう)ちゃん。私も……いつかうちのお母さんや純子さんみたいな幸せなママになれるかな……」  (そう)の腕の中、小さく縮こまって、結葉(ゆいは)がポロポロと涙をこぼすから。  (そう)は居た堪れない気持ちになって彼女をギュッと抱きしめた。  もう相手の親に言い返したとか言い返さないとか、そんなことどうでもいいと思って。
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