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「じゃあ、行こうぜ? ついでに携帯の番号も変える手続きしてさ。気分を一新するのとか、どうよ?」
モールの中には携帯ショップも入っているからちょうど良いかな?と思って。
何気なく聞いたら、結葉が途端泣きそうな顔になった。
想と目があったらすぐ、慌てたように持ち直してくれたけれど、失言だったな、と思った想だ。
そんな想に、結葉は淡く微笑むと、「ごめんね、想ちゃん。私が落ち込んでたの、気付いてたよね」と小さく吐息を落とす。
「ん? ああ。まぁ……そりゃあ、な。――ほら、何ちゅっても俺、子供の頃からずっとお前ばっか見てるからさ」
開き直っておどけたようにククッと笑ってみせたら、物凄く照れ臭そうな顔をされてしまった。
「……もぉ、想ちゃんっ。恥ずかしいから少しはオブラートに……」
「包む必要ねぇだろ? 俺、お前に好きって気持ち、思いっきり伝えちまってんだから。今更隠しても仕方ねぇわ」
悪びれもせず、ニヤリとして言い募る想に、結葉はますます照れて、俯いてしまう。
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