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そんな初々しい態度を取る結葉のことが、堪らなく可愛いなと思った想だ。
「あー、ホントやべぇな。……やっぱ俺、お前のことすっげぇ好きだわ」
あふれ出す気持ちを抑えられなくて、心の赴くままにそうこぼしたら、結葉がますます恥ずかしくなったのか、きゅぅ〜っと身体を縮こめて真っ赤になった。
想に表情を見られたくないみたいに伏せられた顔の両サイド、艶やかな黒髪を割ってちらりと覗いている耳も赤らんでいて。
想は吸い寄せられるようにそこへ触れていた。
「ひゃ、ぁっ」
いきなり耳に触れられて、可愛く声を漏らしてビクッと身体をはねさせた結葉に、想はダメだと思うのにもっともっと触れたくて堪らなくなる。
何とか自粛して、スルリと掠めるみたいに撫でるに留めた結葉の小ぶりな耳は、熱を持ってとても熱くなっていて……。
触れた指先から結葉の熱が伝播してきて、自分の身体も熱を帯びてくるような錯覚を覚えた想だ。
「なぁ結葉。頼むからこっち向いて顔見せて?」
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