36.終止符

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 そんな初々しい態度を取る結葉(ゆいは)のことが、堪らなく可愛いなと思った(そう)だ。 「あー、ホントやべぇな。……やっぱ俺、お前のことすっげぇ好きだわ」  あふれ出す気持ちを抑えられなくて、心の(おもむ)くままにそうこぼしたら、結葉(ゆいは)がますます恥ずかしくなったのか、きゅぅ〜っと身体を縮こめて真っ赤になった。  (そう)に表情を見られたくないみたいに伏せられた顔の両サイド、艶やかな黒髪を割ってちらりと覗いている耳も赤らんでいて。  (そう)は吸い寄せられるようにそこへ触れていた。 「ひゃ、ぁっ」  いきなり耳に触れられて、可愛く声を漏らしてビクッと身体をはねさせた結葉(ゆいは)に、(そう)はダメだと思うのにもっともっと触れたくて堪らなくなる。  何とか自粛(じしゅく)して、スルリと掠めるみたいに撫でるに留めた結葉(ゆいは)の小ぶりな耳は、熱を持ってとても熱くなっていて……。  触れた指先から結葉(ゆいは)の熱が伝播してきて、自分の身体も熱を帯びてくるような錯覚を覚えた(そう)だ。 「なぁ結葉(ゆいは)。頼むからこっち向いて顔見せて?」
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