37.それぞれの再出発

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 モールに着いてすぐ、(そう)結葉(ゆいは)を連れて携帯ショップに行った。 「お前の携番(けいばん)変える手続き、今日のうちに済ましちまおうと思ってんだけど……いいか?」  前にこの話を出したら、結葉(ゆいは)に悲しそうな顔をされたのを覚えている(そう)だ。 「――うん。それで大丈夫だよ。私のせいで色々手間をかけさせちゃってごめんね」  だけど今日の結葉(ゆいは)は、(そう)が一度打診していて心の準備ができていたからだろうか。  前みたいに戸惑いに揺れる視線を向けられなくて、(そう)は密かにホッと胸を撫で下ろしたのだ。 「ほら、謝んのは無しっちゅったろ?」 「う……。え、えっと……。私のために色々気遣ってくれて有難う?」  語尾が疑問形になったのは、結葉(ゆいは)的には、別に絶対変えないといけないとは思っていないのかもしれない。  でも、(そう)としては元旦那の親に今の番号を知られている以上、どうしてもこのままにはしておけないと思ってしまったんだから仕方がないではないか。
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