37.それぞれの再出発

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「それでも私、ブランクがあるし。うまく出来なかったら不安だから……実技を見ていただいてから最終判断してくださいってお願いしたの」  その辺りがクソ真面目な結葉(ゆいは)らしいなと思った(そう)だ。 「んな面倒なことしねぇでうちで働けばいいのに」  何の気なしに言ったら、「公宣(きみのぶ)さんにもそれ、勧められたんだけど……それだと絶対甘えが出ちゃうから」と、結葉(ゆいは)が眉根を寄せた。  本当結葉(ゆいは)はどこまでも真面目だよな、と思ってしまった(そう)だ。  そういうところがまた結葉(ゆいは)らしくて好きだったりするのだが、まぁ、本人的には生きにくいかも知れないな?とも思って。  そこでふと(そう)はちょっぴり関係ないことを考えてしまった。 「なぁ、結葉(ゆいは)。俺とのこと、ずっと保留にしてるのって……もしかしてお前自身の気持ち以外に何か理由があるんじゃねぇか?」  ふと思いついてしまった手前、聞かずにはいられなかった(そう)だ。
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