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いま二人がいるのは山波家のキッチン。
たまたまみんな他所にいてこの場にいないけれど、いつ誰が来てもおかしくない共有スペースで話すのは、さすがにはばかられてしまった。
結葉は、「出来れば二人きりで話せる場所に移りたいの」と、想を不安に揺れる目で見上げる。
「だったら……少し見せたいモンもあるし、ちょっと外に出ないか?」
想の部屋は公宣と純子の主寝室に近い。
かといって結葉の部屋は芹の部屋の隣だったから。
夕飯後、各々が自分達の部屋で思い思いに過ごしている時間帯ではあったけれど、ゆっくり話すなら家を出た方が良いと、想は判断したらしい。
「夜に勝手に家を出ても平気……?」
まだ、偉央の監視下にあった時の癖が抜け切らない結葉は、オロオロと想を見上げて。
「声掛けりゃ平気だろ」
一応同居している手前、何も言わずに抜け出すのは想も良くないと思ったらしい。
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