38.二人暮らし

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*  結葉(ゆいは)だって、この家を出ることをこんなにも惜しんでもらえるのは堪らなく嬉しい。  だけど、さすがに勤め始めて間がない宮田木材に不義理は出来ないから。 「あ、あのっ。じゃあ仕事が終わったらなるべく毎日遊びに来ます!」  長い間、働くことから離れていた結葉だ。  一気にフルタイムはキツイかも知れないと公宣(きみのぶ)(そう)から言われて、宮田木材では九時から十五時(さんじ)までのパートタイマーとして雇ってもらっている。  仕事後、買い物をしたりしてから夕飯作りやお風呂の支度をしたら、ちょうど想の帰宅時間になる感じ。  ウォーミングアップも兼ねて山波家(やまなみけ)で想との二人暮らしを想定した生活をしてみたら、結構しっくりきていい感じかも?と思っていたりする。  フルタイムだったら自分の性格や体力的に、夕飯作りなどに支障が出そうだったので、しばらくはこのぐらいの勤務形態を維持していけたらな?と考えている結葉だ。
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