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「じゃあアレ。遊びに来たついでにうちで一緒にご飯を作って、想と二人で食べてからアパートに帰るっていうのはどう?」
そこまで言ってニコッと笑うと、純子は「ゆいちゃんに家事を手伝ってもらえたら、私も物凄ぉーく助かっちゃうし♥」と語尾にハートを飛ばしまくる。
純子からの申し出に、結葉は甘えたな子犬みたいな眼差しで隣に立つ想の顔を見上げた。
「想ちゃん私……」
「そうしたいって言うんだろ?」
はぁ〜っと大きく溜め息をついた想が、結葉の頭をぐりぐりと撫で回して、「分かったよ。じゃあしばらくはそうしよう」と折れてくれる。
公宣が純子に甘い様に、想は結葉に滅法甘い。
*
幸い宮田木材と山波建設は徒歩五分圏内という立地条件で、車のない結葉でも無理なく移動できる距離だ。
寧ろ、想の職場である山波建設まで結葉が来てくれるなら、結葉はアパートまで帰るのにバスを使わなくても良くなって好都合なくらいで。
聞けば、結葉も車の運転免許証は持っているらしいので、ゆくゆくは彼女自身にもマイカーを、と計画している想だ。
だが、なにぶんペーパー歴が長過ぎる。
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