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パーティーでは純子と芹が中心になって作ってくれたグラタンやローストビーフ、一口手まり寿司、唐揚げ、サラダなどが振る舞われて。
本当は結葉もご馳走作りに参加したかったのだけれど、引っ越しを終えた二人が山波家に戻った時にはほとんどのメニューが完成した後でガッカリしたのだ。
自分達はもてなされる側だと分かっていても、結葉はされっぱなしをどうしても落ち着かないと感じてしまう性格だったから。
それを見越していた想が、結葉と一緒に商店街にあるパティスリーで選んだフルーツたっぷりのタルトは、少なからずお手伝いが出来なかった結葉の心を慰めた。
それを食後にみんなで食べて。
その頃には全員楽しく酔っ払い、良い感じに出来上がっていた。
実際には車の運転もあるし、と今日は飲むつもりなんてなかった想なのだが、夕方に公宣がアパートまで迎えに来て、「今夜は美味い酒も買って来てあるからな? せっかくだし二人とも飲めよ?」と誘ってくれて。
元々酒は嫌いな方ではない想だ。
結局、父親の言葉に甘えて端から車をアパートに置いて来てしまった。
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